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ウワミズザクラの草木染3 媒染

弱火で生地を染めている間に、媒染剤の準備をします。
今回はミョウバンを使いました。

鍋に5gほど入れて水を注ぎます。
最初は真っ白ににごるのですが、火にかけて沸騰後弱火でさらに煮ると透き通って来ます。

ミョウバンの媒染液を準備、透き通って来たところ

しっかり染め上げた後、生地を取り出します。

染め上げた生地

かなり濃い紫いものような色になりました。
昨日の記事でも書きましたが、この時点での色と媒染後の色は異なります。
そして乾いた時の色はさらに異なるので、染液から取り出した時の色が思っていた色と違っていたとしても
まだ何とも言えません。

ウワミズザクラ生地の媒染

バットにミョウバン媒染液を張り生地が浸る量の水を加え、生地を入れます。
ムラにならないように時々動かしながら、30分ほど媒染。

時間になったら生地を水でしっかり洗い流して陰干し乾燥させます。

染め上げた生地を乾燥

今回染めたウワミズザクラ、媒染前と後の色の差はあまりなかったように思います。
ちょっとピンク味が強すぎない?と心配になりましたが、最後に乾くと柔らかい色になりました。

乾燥させたウワミズザクラの生地

草木染をしていると、『もっと可愛らしい色になると思ってたのに』ということもあります。
昨年と同じ時期に同じやり方で染めたはずなのに違う色味になって愕然とすることもあります。

そんな時にふと思うのは、『あの時と全く同じ色』を求めすぎるのは現代の価値観なのかなあと。
私の勉強不足のせいもありますが、例え同じ木の枝で染めたとしても
一期一会のように少しづつ違って良いのだと。

ところで煮出した枝は、最後に土に還しています。
サクラは菌がわきやすいので、土壌改良に良いそうです。

煮出した後のウワミズザクラの枝
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ウワミズザクラの草木染2 染色

煮出し後ひと晩おいた染液で染めていきます。
コットン生地を染めます。コットンは動物性たんぱく質がなく染まりにくいので、
染める前に濃染剤で濃染処理をします。

コットン生地の濃染処理

濃染剤と熱湯を入れたバットに生地を入れ、時々動かしながら30分ほど浸します。

ひと晩おいた染液

ひと晩置いた染液。
生地が浸るくらいまで水を足して、生地を入れます。

染液に生地を浸したところ

染液に生地を浸すと、一瞬で鮮やかな赤に!
もうこれで終えたいという衝動にかられます。

草木染の難しいところは、染めている時の色、媒染した時の色、さらに乾いた時の色が違うところです。
特に濡れている時の色(濡れ色)は濃すぎるように感じても、最後に乾かすと3段ぐらい淡い色になります。


樹木の色素をしっかり生地に移すために、がまんがまん。
中火で温度を上げていき、沸騰後さらに30分煮詰めます。

生地を染め上げているところ

染めている時に生地が浮いてくるので、染液の中に浸る様に沈めます。
浮きっぱなしになると染めムラが出て来るので、何度もしつこく沈めます。

30分で火を止め、今度は媒染。染めから媒染までは今日1日で終えていますが、
記事が長くなるので続きはまた明日書きます。

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ウワミズザクラの草木染1 染液の抽出

昨年末に剪定したウワミズザクラの枝を使って
生地を染めることにしました。

去年剪定したウワミズザクラの枝

煮出しやすいように細かく裂いていきます。
硬い枝や乾いた枝、または大量の枝を染める時にはシュレッダーを使いますが、
まだ乾いていないウワミズザクラの枝はしなやかで柔らかく、手でも裂くことが出来ます。

まだ柔らかいウワミズザクラの枝

枝の中がまだ乾いていない時には、外樹皮をむくと青い部分が出てきます。
内樹皮と言って、光合成で作られた糖などを幹や根に運んでいる部分です。
ここが青い時のほうが良く染まる様な気がします。

細かく裂いた剪定枝

染め生地の重さの倍の量を裂いて、煮出し用の袋に入れました。

煮出し用の袋に入れたウワミズザクラの枝

乾かないうちにすぐに鍋に入れ、浸る高さまで水を注ぎます。
バラ科の樹木、赤味をきれいに出すためにソーダ灰も加えます。

煮出し始めたウワミズザクラの枝

中火にかけて沸騰させます。
一気に沸騰させたくて強火にかけたい衝動にかられますが、
時間をかけてゆるやかに温度を上げていった方が良く抽出出来るそうです。
沸騰後弱火にして30分煮出し。火をとめます。

今日はここまで、そのまま一晩置きます。その方がきれいな赤味が出るそうです。
草木染は何かと目が離せず忙しいので、放置出来るのは気が楽です。

続きは明日!